正規雇用と非正規雇用の違いは実は大して差がないことが判明

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大学4回生の皆様、就職活動はかどってますでしょうか?

ほとんどすべての大学生が、なんとしても出来るだけ規模の大きな企業で正社員になりたい、そう思って日々エントリーシートを記入したり面接対策したり、自己分析に励んでいることでしょう。私はそういった一連の就職活動というのが至極あほらしく感じていたのでまともにやっていませんでしたが。

社会人になって何年かたつと、まだ社会に出てない学生の段階で一生にわたって取り組んで行く仕事とかやりたいことを半強制的に見つけさせよう、決めさせようとするのがいかに暴力的なことかと大学生時代を振り返って思います。自己分析とかやったところで自分が何者で何が向いているのかなんてわかるはずもありません。自分のことは自分が一番分からないですから。

まあ、そうはいっても実際食べていくためには働かざるを得ないわけで、働くとすれば給料が多い方がいいし、福利厚生が整っている企業になるべく苦労せずに寄生して生きて行きたいと考えるのが人間というものです。

さて、就職や転職活動においては言うまでもなく正規雇用、つまり正社員になることを目指す方ばかりだと思います。

しかし、正規雇用と非正規雇用、パートやアルバイト、契約社員、派遣社員の違いをはっきりと説明できる人がどれくらいいるでしょうか?

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正社員だったら生涯賃金3億円っていうけど、それ年収に直したらいくらになるか分かってる?

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photo credit: E00_0932 via photopin (license)

こういった問いをするとたいてい「生涯賃金の差」を持ち出す人が多いです。

私が大学生のころは60歳まで正規雇用されず非正規だった場合、生涯賃金は一億円行くか行かないかで、正規雇用で60歳まで働いた場合の生涯賃金は3億円ということが当たり前のように言われていました。

実際大学の就職課の前に正社員で就職するのとしないのとでは、どれくらい賃金格差が出るのか知ってもらうために正規雇用の賃金と非正規雇用の賃金の重さが比べられる天秤が置かれていたりしたものです。

それを大学生が天秤をもって「重さが全然違う」とか言ってるのを新聞なんかが記事として取り上げていたのです。今考えるととてもあほらしい光景なのですが。

しかし、ちょっと考えてみるとこの生涯賃金、いくら平均で出しているとはいえ計算してみるとおかしいことがすぐにわかります。

だって考えてみて下さい。60歳まで働いて3億円手にするということは大学を卒業して22歳から38年働いてそれを手にすることになります。

そうなると、3億円を単純に労働期間で割ると年収は約789万円になります。

年収789万円ってサラリーマンとしてはなかなかの高給取りですよ。

正社員ってそんなに儲かっているでしょうか。そんなことないですよね。

新卒採用でもボーナスや退職金のない会社は腐るほどあります。少なくとも私はサラリーマン時代にボーナスとか退職金をもらったことが一度もありません。

実はこの生涯賃金で正規雇用と非正規雇用で違いが出るのは、ボーナスや退職金の有無なのです。

正社員が、非正社員と賃金に差がつくのは月々の給料額ではないのです。私はたまに転職サイトなどを面白半分でのぞいてみたりするのですが、正社員でも非正社員でも初任給がほぼ同じであることが多いです。

そりゃあ、昇給の有無とかを考慮に入れれば確かに差が出るでしょうがそんなもの微々たるものでしょう。このご時世、毎年〇万円単位で給料が上がる時代でもないでしょうし。

ということはつまり、正社員でもボーナスや退職金制度がなければすなわち非正社員と差がないのです。

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パソナキャリア

社会保険関係も正社員と非正社員という区分で分けていない。

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photo credit: D05_4690 via photopin (license)

また、世間の人々は正社員にならないと雇用保険や健康保険、年金といったいわゆる「社会保険」に入れないと思っています。

実際はこういった一連の社会保険は働く時間や日数に応じて加入できるかできないかが決められており、正社員か非正社員かで加入できるかどうかが線引きされているわけでは決してありません。

例えば雇用保険ですと

①1週間の所定労働時間が20時間以上

②同一の事業主の雇用保険適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれる者

この2つの条件を満たせばパートやアルバイトでも雇用保険に加入できます。ただ、学生は加入できないという例外があります。

労災保険は労働者を一人でも雇っていれば事業主に加入の義務があり、保険料も全額事業主負担が発生します。非正規雇用だからといって労災保険が適用除外になることはありません。

健康保険に関しては、1日または1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数がその健康保険適用事業所で働いている正社員の4分の3以上であることを基準として、実態を見て乗用的雇用関係にあれば加入できるとされています。ここでも正社員でないと健康保険に加入できないということはありません。

厚生年金保険も健康保険と同じ条件で判断されます。ここでも正社員と非正社員の区分はありません。

まとめ:正社員も非正社員も格差が縮まってきている。

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photo credit: D03_9178 via photopin (license)

今まで挙げてきたことをまとめると

  1. 正規雇用と非正規雇用の違いは賃金であるが、それはボーナスや退職金の存在が大きいので正規雇用でもそれがなければ非正規雇用と同じである。
  2. 社会保険に関しては近年、加入するためのハードルが下がりつつあるしそもそも正規雇用かそうでないかで加入できるか否かが分かれていない。

ということになります。

これから社会へ飛び立とうという大学4回生の皆様、自己分析とか面接対策とかも大事ですが、これから会社で働く側の人間として社会保険をはじめとした労働のルールをしっかり勉強しておくことをおすすめします。

昨今ブラック企業の話題がよく出てくるようになったとはいえ、世間では働く側のルールに関してものすごい無知がまかり通っています。残業代の支給の有無なんてその最たるものでしょう。

働く側もそうですが、実は経営者側もこういった社会保険とか労働法関連について知識がないことは決して珍しくありません。法律は知っている方が社会では強いのです。

正社員とか非正社員とか言葉に踊らされないで、実態を見て判断する能力がないとたとえ正社員として晴れて就職できても、その後痛い目を見ることになるでしょう。社会に出るのなら社会のルールの勉強をちゃんとしときましょう。

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