今年の高校野球に見る異変

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今年の甲子園で繰り広げられている高校野球を見ていると、今までになかった異変が見える。

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全体的に笑顔が多い。

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それは「選手、監督ともに笑顔がやたら多い。」ということである。

試合を見ていて、得点が入ったりファインプレーで相手を抑えたときに笑顔があふれるのはまだわかるのだが、それ以外でも笑顔がやたら見られる。

味方がエラーをしたとき、あるいは負けている時ですら笑顔が絶えないのだ。

私はそれを見て当初非常に違和感を覚えていたのだが、よく考えてみると試合そのものを楽しもうという姿勢を全力で出しているだけなのだということに気づき、これがむしろ正常なのだと思うことができるようになった。

「試合中、練習中に笑顔を見せるな」が当たり前の時代

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当初、私が試合中にやたら笑顔が見られることに対して強烈な違和感を持っていたのにはわけがある。

私が中学、高校で野球をやっていた時は試合中はもちろん、練習中も笑顔を見せるな歯を見せるな真剣にやれというのが当たり前だったからだ。

練習中や試合中に笑顔を見せようものなら監督や先輩に「何練習中(試合中)に笑とんねん!真剣にやれ!」と雷が落ちたものだ。

こういう話をすると、どんだけ昭和の時代に野球してたんだというツッコミがきそうだが私は現在メジャーに行っているダルビッシュ有や、ソフトバンクの森福、日本ハムの鵜久森、千葉ロッテの涌井とと同年代である。イケダハヤト氏がいうところの86世代。

つまり少なくとも10年ちょっと前までは練習中や試合中に笑顔を見せることは不謹慎であるという考えが当たり前のようにあったのだ。

練習や試合そのものを楽しんではいけないという異常な考え

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中学高校と野球部で活動していた当時は、試合中や練習中に笑顔を見せてはいけないという考えを当たり前のように受け入れていたが、今考えるとそれはかなり異常な考え方だったんだなと思う。

今やっているスポーツが何であれ、それを始めるきっかけというのはそのスポーツがやっていて楽しい、あるいはどんどん上達できそうだと本人が思ったからである。

つまり原点は「楽しい」なのである。

にもかかわらず、日本における野球というのはかなり長い間「巨人の星」のような考え方がはびこっていた。

つまり楽しいから野球をやるのではなく、ひたすら厳しい練習に耐え抜いて自分の能力を上げていくことが主眼に置かれていたわけだ。

野球以外のスポーツをあまりしたことがないので分からないが、少なくとも野球に関しては厳しい練習に日々耐え抜いて自己研さんしていくことがこれまで最大の目標だった。

それが最近になって、ようやく野球そのものを楽しもうという姿勢があちらこちらで出てきた。その結果が今年の甲子園におけるグランドにあふれる笑顔であろう。

特定の髪形を強制するスポーツが他にあるか?

甲子園に笑顔があふれるようになったとはいえ、まだまだ野球は異様なスポーツである。

大体、甲子園に出場する高校球児たちが2016年になってもそろいもそろって坊主頭であることがその典型だろう。

いくら昔とは違ってグランド上で選手や監督が笑顔を出しているとはいえ、甲子園に出場している高校球児で坊主頭以外の選手を私はいまだに見たことがない。

他のスポーツでも汗が拭きやすいなどの理由で、自分から進んで丸坊主にしている選手はいる。

だが、特定の髪形を強制するスポーツ、特定の髪形が多数を占めるスポーツが他にあるだろうか?

野球以外にはまずないはずだ。

最近では、坊主頭を強制しない野球部も出てきているそうだが少年野球にしろ、中学野球、そして高校野球を見渡しても坊主頭でプレーしている選手は非常に多い。

いまだに坊主頭になることを強制しているところもあるはずだ。

私自身、物心ついたときから髪をそれほど伸ばさず短髪だったので野球部で活動するために坊主頭になることに抵抗はなかったが、坊主頭になることに抵抗のある人は決して少なくない。

これは私の想像であるが、野球をやってみたいけど坊主頭になるのが嫌であきらめる子供たちは少なからず存在するはずだ。

昨今では野球よりもサッカーのほうが人気になっているという話を聞く。

その原因の一つに坊主頭になってまでやりたくないという理由があることは想像に難くない。

私がプレーしていた10年ちょっと前と比べて、練習中や試合中に笑顔を見せるなという考えが廃れて野球そのものを楽しむ姿勢を出せるようになったことは進歩として評価できる。

だが、坊主頭でプレーすることを当然のように思う周囲の空気であったり、強制するあたりは早急に改善していかないとこれからどんどん野球をしようという子供たちは減るのではないだろうか。

今年の高校野球を見ていて思ったことを一通りまとめてみた。